○ 人間はなぜ戦争をするのでしょうか?
動物は戦争をするでしょうか?動物は争いはしますが、基本的には戦争をしません。人間は、ライオンや虎などに比較して力も弱いですが頭脳が発達しています。氷河期の時代、人間はマンモスなどの大型の動物を捕らえて食料とするため、グループを作り知恵と道具と団結力で生き残りました。このグループを作る、協力することが人間の特徴です。戦争は人類が農業を始め、富の量が目に見えて増えてから始まったと思われます。農業は人間が定住し、集落を作る事を促します。自衛のために、あるいは他の集落の富を狙い戦争が始まります。
*集落やそれより大きな集団の争いの解決
集落をつくり人々が近いところに住むと必ず争いが生じます。それを解決するのに集落の中で誰かが中心となり、簡単なルールや慣習が生まれます。さらにこれが大きな集団となると法や法律になります。
○ ポーランドの分割とアウシュビッツ
ポーランドは、「戦争と平和」を考えるのに非常によいところです。コペルニクスが生きて、天文学を勉強し、地動説を発表した16世紀は、ポーランドは人口も多く、穀物輸出がブームでした。したがって経済的にも繁栄して中東欧でもっとも豊かでした。貴族の力が強く、貴族共和国と呼ばれ、王権は弱かったのですがポーランドを取り囲む、プロイセン(ドイツ )、ロシア,ハプスブルグ帝国(オーストリア)は中央集権化政策をとり王権を強めていました。そして18世紀の終わりに領土をこれら3国に分割され、1795年にはポーランドは地図から消えてしまいました。
現在の日本は、ある意味では似た状況にあります。周りに大国、世界の警察官アメリカ、人口13億で昨年GDPで日本を抜いて世界第2位となった中国、ヨーロッパとアジアにまたがる大国ロシアが存在します。いずれも核の保有国です。さらにもう一つの核保有国の北朝鮮が隣国です。これら諸国との関係をよく考慮して外交や経済関係を築く必要があります。
アウシュビッツは、第2次世界大戦中にドイツ のヒトラーがポーランドに建設した強制収容所です。ヨーロッパ各地からユダヤ人が送られガス室に入れられて死亡しました。人間を物のように扱っています。ポーランドには、このような非常に重要な「戦争と平和」を考えさせる歴史上の事実があります。